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京都府立医大で症例報告会 農作業リハビリで無気力状態を改善

7月26日(水)、京都大原記念病院と京都府立医科大学附属病院(府立医大)のリハビリテーション症例報告会が、京都市上京区の同大学で開催されました。京都大原記念病院がこのほど特許庁の商標認定を受けた、農作業を取り入れたリハビリテーション「グリーン・ファーム・リハビリテーション®」についても論議が交わされました。

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一例目は「高校レスリング日本代表コーチの大原リハビリ奮闘記」と題し、延髄背外側部の脳梗塞であるワレンベルグ症候群で眼球運動や平衡機能の障害がある40代後半の男性患者について報告しました。男性はめまいやふらつきなどの問題点はあったが、バランスボールやジョギング、縄跳びなど姿勢制御の練習を繰り返すなどで、最終的にコーチとして復帰。教諭としての指導場面を動画で紹介しました。

二例目は「病棟FIMの変化~グリーン・ファーム・リハビリテーションを実施して」と題し、アテローム血栓性の脳梗塞で意欲低下(アパシー)・注意障害・遂行機能障害・社会的行動障害などの高次脳機能障害のある80代半ばの男性患者について報告しました。男性は入院一ヶ月目あたりから京都大原記念病院の自家菜園で農作物の収穫や水やり、草引きといった農作業をリハビリテーションの一部として実施。重心移動や保持動作に加え、自発的に行動する習慣づけにも役立ちました。

府立医大のスタッフからは、急性期で担当した患者が快方に向かったことに喜びの声が出たほか「農業に従事してこなかった人にも効果はありますか」などの質問があり、「現在、このプログラムを適用している患者の半数は農作業の経験のない人。一般的に人の健康に役立つとはされているが、今後症例数を増やしてデータを積み重ねていきたい」などと答えました。