院長のご挨拶

小さな“できた”を共に喜び応援する
お困りごとから紐解く
リハビリテーション医療

リハビリの先に患者様がどのような「目標」を描くのか。診療で常に意識しています。

“春にはハイキングに行きたい”“友人とゴルフをしたい”‘孫を抱きたい’ 。患者様のなかでもこうして具体的な目標をお持ちの方ほど、どんどん良くなっておられる印象です。目標に向けて、あきらめず前向きに取り組む過程がリハビリの本質だと考えています。病院やクリニックでがんばること以外に、日常生活でもなるべく麻痺した手を使うことや、なるべく外出することを意識することもリハビリになります。

私の外来ではご本人の目標(自分らしい人生を取り戻す)ために「お困りごと」にフォーカスするようにしています。リハビリはマッサージのように「してもらうもの」ではなく「自分ですること」が何よりも大切です。心の内にある「お困りごと」を紐解きながら目標を設定することがリハビリの意欲につながると考えています。

リハビリ治療計画を立てるうえで、コミュニケーションをしっかりとることが一番重要だと考えています。医療の現場では患者様が「先生に全てお任せします」とおっしゃる場面が多く、医師も言われ慣れていると想像しますが、リハビリ医療ではご本人が中心になって「どんな人生を取り戻したいのか」をしっかり伝えていただく必要があります。身体が不自由になったことで自己肯定感が下がり、チャンレンジしたいことや、行きたい場所を誰にも伝えることもなく諦めている方も少なくありません。「旅行に行きたいなんて、先生にこんな話をしていいんですか」と驚かれることもあります。繰り返し、丁寧にコミュニケーションを取り信頼関係を築くことで、少しずつ想いを口に出してくださります。その想いをしっかり汲み取りその方に合ったリハビリプログラムを提供し、ご本人自らが積極的にリハビリ治療に参加されることで着実に効果が出ます。

日々の小さな“できた”をともに喜び、応援できることは私たちにとっても嬉しいことです。

リハビリ医療も進化し、かつては改善が難しいと言われていた症状にアプローチできる選択肢も広がりが出ています。ためらわず、想いを聞かせてください。今後もリハビリのその先に描く目標に向けた「もっと」を全力でサポートしていきます。

児玉こだま

獨協医科大学医学部卒。大学病院・民間病院を経て、2006年より京都大原記念病院勤務。2015年より御所南リハビリテーションクリニックへ。2018年同 院長就任、現在に至る。日本リハビリテーション医学会認定医・専門医。日本内科学会認定医。