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【外部発表のご紹介】実際の活動に移すための「自信」をつける機会を目指して

本院である京都大原記念病院の総合リハビリテーションセンター前には、主に理学療法士、作業療法士、言語聴覚士らが学会などで外部発表したポスターを掲示、ご紹介しています。

掲示している演題のうち、今回はリハビリテーションロボットに関する事例をご紹介します。

 

医療保険・介護保険外でのリハビリテーション健康教室の取り組み

~植物園での屋外歩行~

 

毛利弘貴(御所南リハビリテーションクリニック 作業療法士)

第2 回日本リハビリテーション医学会秋季学術集会 2018年11月

 

御所南リハビリテーションクリニックでは、医療保険に基づくリハビリテーションを実施しています。疾患によっては、医療保険制度においてリハビリ実施期間に期限が設けられています。期限を超えた場合でもリハビリテーションの継続を求める患者の声が多数あります。これまでは、期限が超えた場合でも医師が必要と判断した場合は一定程度リハビリテーションを継続することが可能でしたが、2019年4月以降、期限を超えた要介護被保険者等は原則できません。

 

基本的にその後は、介護保険サービスやスポーツジムなどの一般社会資源となりますが、医療保険の個別訓練から介護保険の集団訓練への変化や、スポーツジムなどでは逆に運動レベルが高くなりすぎるなどしてニーズとのミスマッチが起こることは珍しくありません。結果としてリハビリテーションの機会を断念する方も散見されます。

 

当院では、そうした方への機会提供の一つの形として、2018年4月に保険外でのリハビリ健康教室を検討し開催しました。同教室は継続を望むもののマッチする社会資源を見つけられなかった方、また身体能力はあるものの外出など実際の活動に移すことができない方を対象に「外出の機会を創出し、自信につなげる」「外出にあたっての障害や解決方法を相談する」機会となることを目的として開催し、女性5名(平均年齢77.6±3.6歳)が参加されました。疾患は進行性核上性麻痺1名、パーキンソン病1名、脳梗塞2名、くも膜下出血1名でした。

今回は京都府立植物園での屋外歩行を実施しました。普段の生活状況を把握し、身体機能を踏まえ歩行目標を決定してから参加され、当日は歩行目標達成のため、歩行指導や歩行器等の調整や検討を行いながら実施しました。実施結果、および企画終了後の変化について検証した内容をまとめました。このうち実施結果として、特に変化のあった2例をご紹介します。

 

A氏:

屋外移動は付き添いが必要であり、杖と車いすを使用されています。杖の場合は通常の歩行距離は50mから100m程度だったため、目標は200mとしました。

最終的に1㎞程度 歩行されました。

 

B氏:

屋外移動は歩行車を用いておられ、通常時の歩行距離は1㎞程度です。

目標は1㎞以上とされました。

最終的に4㎞程度 歩行されました。

 

  • 他の参加者も全員が目標距離を達成

参加直後、また数日後にヒアリングした際に以下のような感想が聞かれました。

 

【実施直後の参加者の声】

・機会がなければ外出しなかった。

・かなりの距離を歩けたので、次回は友人ときたい。

・車いすに乗るのは悔しいから絶対歩こうと思った。

・他の参加者に刺激され、頑張って歩けた。

・普段は屋外は全く歩かないので、不整地歩行の良い

練習となった。

 

【実施数日後の参加者の声】

・足の浮腫みがましになった。

・筋肉痛はなかった。

・少し疲れたが、行ってよかった。

・屋外歩行に自信がついた。

 

能力はあっても、様々な理由で活動に繋がらない患者がいらっしゃいます。今回の外出の機会で歩行指導を行い、外出や活動の障害となっていた個別の課題や不安な気持ちの解決を促すことができたものと考えています。想定以上に参加者の能力が引き出されており、同行職員の指導だけでなく、集団活動による刺激が影響した可能性もあると考えられます。

 

今回の企画を通じて、改めて既存の制度について考えてみました。既存の制度や社会資源は、活動や参加への後押しが弱いのが実情と言えます。身体能力など「動作自立」とするだけでなく「活動」につなげる関りが重要であることを再認識しました。様々なハードルはありますが、既存の制度(医療や介護)を超えた活動支援・自立支援が必要であると考えました。

抄録はこちら

 

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※1:疾患別リハビリテーション期限

リハビリテーションは制度上、怪我・病気・障がいの種類によって分類され(疾患別リハビリテーション)、リハビリテー ションが受けられる期間、および発症後、回復期リハビリテーション病棟に入院するまでには期限(日数)が設けられています。

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