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回復期リハビリテーションとは?リハビリテーションの基礎知識

リハビリの知識

こんにちは御所南リハビリテーションクリニックです!

前回はリハビリテーションの4つの段階のうち、「急性期リハビリテーションとは?リハビリテーションの基礎知識」について取り上げました。
今回は「回復期リハビリテーション」についてです。

回復期リハビリテーションは、急性期リハビリテーションの後におこなう、より実践的なリハビリテーションを指します。
具体的にはどのような目的でどのようなリハビリテーションが行われるのか、受けられる条件や期限、病院の選び方などについてもお伝えします。

リハビリの様子

◆回復期リハビリテーションとは?専門病棟の特徴

まず、前回「急性期リハビリテーションとは?リハビリテーションの基礎知識」でお話した急性期リハビリテーションから簡単に説明します。

脳卒中や重症のケガなど病気にかかったりした際、脳卒中治療ガイドライン2015では、発症後できるだけ早期から十分なリスク管理のもとに積極的にリハビリテーションを実施することが強く推奨されています(グレードA)。この観点で治療とともに開始するリハビリを「急性期リハビリテーション」といいます。

実施期間は急性期=命の危険がある患者様やケガの程度が重い患者様が大半であり、治療を最優先して行うことが目的です。
この急性期を脱した後に行われるのが、「回復期リハビリテーション」。
患者様が回復能力の高いこの時期(回復期)に密度の高いリハビリテーションを行うことが重要で、専門の医療機関も国内各所に存在しています。

そのため、特に救急病院などでは病状が安定し、急な病変などが考えにくい段階まで回復された患者様には退院や転院を求められるようになります。近年では急性期病院での入院期間も症状にもよりますが、2週間程度になっています。
以前の生活と同様、もしくは少しでも近いクオリティある生活・活動を可能にさせるため、継続したリハビリテーションが必要です。
社会や家庭へ問題なく復帰すること、寝たきり防止など退院後の日常生活を見据えた訓練が大事となってきます。

 

退院後を見据えた回復期リハビリテーション病棟での訓練とは

回復期リハビリテーション病棟は入院施設で、1日最大3時間リハビリに励むことになります。

ここでは理学療法士、作業療法士、言語聴覚士による専門的なリハビリはもちろん、朝起きてから寝るまでの入院生活すべてをリハビリと捉え、それぞれの動作に目的をもって、できる限りご自身の力で生活出来るよう支援・サポートします。。

特にご本人の尊厳に関わる食事とトイレの自立支援は重要なポイントであり、急性期病院と比べて日常生活動作(ADL:Acthivities of daily living)訓練を中心に実施されます。

 

◆回復期リハビリテーション病棟を利用できる条件や期限

回復期リハビリテーション病棟を利用する場合、制度上「入院できる期間」に期限が設けられています。(下表)。

従来は疾患ごとに「発症までの期間」にも要件があり、例えば、重度の脳卒中などの場合、発症から60日以内と定められていました。2020年度からは「発症からの期間を問わない」と大幅に緩和されました。

疾患 リハビリ期間
脳血管疾患、脊髄損傷、頭部外傷、くも膜下出血のシャント手術後、脳腫瘍、脳炎、急性脳症、脊髄炎、多発性神経炎、 多発性硬化症、腕神経叢損傷等の発症後若しくは手術後の状態又は義肢装着訓練を要する状態 150日
高次脳機能障害を伴った重症脳血管障害、重度の頸髄損傷及び頭部外傷を含む多部位外傷 180日
大腿骨、骨盤、脊椎、股関節若しくは膝関節の骨折又は二肢以上の多発骨折の発症後又は手術後の状態 90日
外科手術又は肺炎等の治療時の安静により廃用症候群を有しており、手術後又は発症後の状態 90日
大腿骨、骨盤、脊椎、股関節若しくは膝関節の神経、筋又は靱帯損傷後の状態 60日
股関節又は膝関節の置換術後の状態 90日

 

 

◆病院選びの見極め方。回復期リハビリテーションは環境が大事

もし、不幸にも何らかの疾患を発症して機能障害を負ってしまった時、いかに早い段階で、いかに密度の濃いリハビリテーションを受けられるかがその後を左右すると言っても過言ではありません。

そのステージとなる病院、回復期リハビリテーション病院を選ぶ際には、それぞれの目標に向かってどれだけ集中してリハビリに励める環境にあるのか?しっかりと見極める必要があります。

病院の環境や雰囲気、体制などについて知るために、回復期リハビリテーション病棟は実際に見学してみることをおすすめします。

 

病院選びのチェックポイント5つ

1. 職員の対応や雰囲気はどうか(セラピストは多く見かけるか)
2. 1日に2時間から3時間、できれば365日リハビリを(切れ目なく)実施しているか
3. 看護や介護の人数は充実しているか
4. 退院に向けて相談等にのってくれる担当者(医療ソーシャルワーカーなど)がいるか
5. 利便性だけで病院を選んでいないか

このようなポイントも参考に患者様がリハビリに専念し、向上心を持って充実した入院生活を送ることができる実績のある病院、回復期リハビリテーション病棟を選びましょう。

 

◆回復期リハビリテーションで転院をする場合

救急病院などで実施された急性期リハビリテーションの内容や現在の状況を、きちんと回復期リハビリテーションの担当者(医師・看護師・セラピストなど)へ引き継がれる必要があります。

もちろんこれからかかる医療機関がリハビリテーション専門のクリニックであれば、ご家族やもともといた病院の担当者に対し引継ぎして欲しい情報を明確に伝えることができます。

診断書やカルテなどもスムーズに新しい担当者へ渡りやすいのですが、地元のクリニックでリハビリテーションを通院にて行うなどの場合は、もともといた病院と連携の取れるクリニックの中から選ぶのが良いでしょう。

正しい引継ぎを行うことで、患者様のリハビリ期間も短くなりやすく、医療費も心身も共に負担軽減が期待できます。

 

◆リハビリは病院側のチーム医療が重要!退院後を見据えてサポート

リハビリを進めて行くには、病院側の「チーム医療」がとても重要なポイントです。

さまざまな医療専門職(医師・看護師・セラピスト・管理栄養士・薬剤師・医療ソーシャルワーカー・介護職等)が共同でチームを組み、患者様が退院後に帰宅してからの生活を見据えて、入院時からチームで指導・サポートします。
※セラピスト=理学療法士・作業療法士・言語聴覚士を合わせた名称

必要に応じて行う「カンファレンス(相談・検討会)」はもちろん、日常的にチームのスタッフそれぞれが常に情報を共有し、コミュニケーションを密にすることが大事。
患者様とその家族、スタッフの間には安心感と信頼感が芽生え、より効果のあるリハビリをおこなうことができます。

 

◆まとめ

当院は本院であり回復期リハビリテーション病院の「京都大原記念病院」とともに、回復期から維持期(生活期)<次回、掲載予定>まで、患者様の『「もっと」の想いを全力でサポート』を理念に、一連のリハビリをご提供しています。

病院では出来ていたはずの事(思い込み)は退院後、自宅に戻られて、できなかった・出来ていなかった事があるかも知れません。

そのような「生活に困った」がございましたら、一度お声掛けしてください。

また、リハビリ専門クリニックとして最新のリハビリを提供させて頂いておりますので、合わせてご相談頂ければと思います。
御所南リハビリテーションクリニックのリハビリテーションページでも詳細をご紹介しておりますので、ぜひ参考にご覧ください。

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