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リハビリにおける観察項目はどう決める?

リハビリの知識

こんにちは、御所南リハビリテーションクリニックです!

今回は「リハビリテーションにおける観察項目」についてのお話です。

理学療法士や作業療法士、言語聴覚士や看護師などリハ専門スタッフ達は、患者様とリハビリテーションを行う際、リハビリ内容を伝えたあと漫然と時間を過ごす訳ではありません。
患者様の回復度合いや体調を始めとして、様々な患者様の状態を収集しながら日々リハビリテーション内容の調整や変更を行っています。

ではリハビリテーションを行う際に必要な「観察と観察項目」について、ご紹介します。

 

患部の状態は常時チェックしています

まず、患者様の治療において、観察する項目の一番は「患部」です。
ケガによるリハビリが必要な場合であれば、患部周辺の筋肉、関節がどのように動き、リハビリの実施によりどの程度回復したのか、といった点に注目します。

脳疾患や内科疾患による影響を受けマヒが起きている場合は、基本的な可動域やマヒの程度、また回復度合いを随時チェックします。

患部の状態は、目視はもちろんのこと実際に様々な可動テストを行い、常に客観視しておくことが大切になります。

 

患部以外の「基本的な観察項目」とは何を指すの?

比較的体力のある患者様は「リハビリを頑張れば頑張っただけ早く回復できる」と考え、無理をしてリハビリを頑張る傾向にあります。

また、一般的に患者様は医療スタッフと比較すると知識や経験が少なく、今の患部やマヒの状態をうまく伝えられないことも珍しくありません。
そのまま不適切な治療を続けると十分なリハビリの効果を得られない可能性も否めません。

そのため、各専門スタッフはリハビリ中に「患部の状態」以外にも次のような項目をチェックすることが求められます。

・バイタルサインに変化はないか

リハビリが実施可能な患者様は比較的バイタルサイン(心拍数・呼吸(数)・血圧・体温)は安定していますが、リハビリを実施中に体調を崩すことがあります。とくに脳疾患によるリハビリ初期などは注意が必要です。

・患者様の表情に変化はないか

患者様の疲労度や疼痛の状態が表情に現れることがあります。
普段から一定のコミュニケーションを進め、表情の機微を読み取る準備をしておくと変化に気づきやすくなります。

・疼痛の部位や程度、筋肉の緊張度など

リハビリ初期は痛みが発生しやすいものですが、関節可動域訓練中に感じる伸張感(伸びているという感覚)と耐えられる程度の痛みが原則であって、治療を中断しても疼痛を感じるほどの力を加えてはいけません。
リハビリ部位周辺を中心とした筋肉の不自然な緊張感がないかも確認しておくとよいでしょう。

・患部と健常部位の動きの違い

脳疾患による片マヒなどが発生した場合、健常部位の動きと比較することで疾患にかかる前の状態や生活パターンを想像し、効果的なリハビリのヒントにつながることがあります。

・心身の状態チェック

悩み事や退院後の不安があるとリハビリの効果が十分得られないこともあります。
不安の内容がリハビリに直結する場合はリハビリの見直しで改善する可能性があります。
その他の悩みであればリハビリスタッフが直接解決することは難しくても、リハビリ中話をされることで(スタッフが聞くだけでも)気持ちが安らぐことがあるほか、ケースワーカーやカウンセラーなど専門職に橋渡しすることもできます。

観察項目は患者様一人ひとりで異なる

先ほどの観察項目はあくまで基本的な例であり、観察項目は患者様一人ひとりの症状、年齢、既往症などにより内容が変化します。

例えば
・現在持病があり、リハビリを行っている部位と症状の発生箇所が近しい
→持病の進行度合いや今回の患部に対する影響度合いも観察が必要
(同じ部位が痛くても、持病が原因か?リハビリが原因か?で対応内容が異なる可能性も)

・以前のケガの患部と今回の患部が近く、以前のケガの影響を今回の患部が受けている場合
→以前のケガの患部も含めた治療内容にするかどうか、検討するためにも対象部位全体の観察が必要

といった形になります。
治療中の観察項目が患部だけにとどまることはまずありません。
患者様の治療課題を一緒に見つけるという意識がポイントになります。

その為、医師や看護師と共に日々コミュニケーションを取る事(事前情報)も必要です。いわゆるチーム観察とも言うべきでしょうか?

 

リハビリ中は様々な観察項目があるので、リハビリ専門スタッフは気の抜けない時間が続きます。
また、時間が限られた中ですべての項目を完璧に観察することは至難の業でもあります。
「患部だけを診る治療」を行わないよう心がけるとともに、スタッフ側も患者様と良好な関係を築き、何か変化や違和感があったら患者様から伝えてもらえる環境を整えておきましょう。
そうすることで、見逃しを防ぎリハビリの効果を高めることができます。

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