ブログ

「理学療法士」の役割は?リハビリテーション従事者の活動について

リハビリの知識

こんにちは!御所南リハビリテーションクリニックです。

当院の「リハビリテーションの意味とは?」でもリハビリテーション従事者には主に「理学療法士」「作業療法士」「言語聴覚士」の3つの専門職があり、医師や看護師など多職種でのチーム医療となることをご紹介しました。

今回はリハビリテーションにおける医療従事者のうち、国家資格である「理学療法士」について掘り下げてみましょう。

理学療法士のリハビリにおける役割や仕事内容、対象者、リハビリテーション従事者の活動についてもお話します。

--www.pakutaso.com-shared-img-thumb-PASONAZ160306310I9A2385 (1)

 

理学療法士の役割は「動作・運動機能回復の専門家」

理学療法士(りがくりょうほうし、英語:Physical TherapistまたはPhysio Therapist、略称PT)は、運動機能が低下した状態にある患者様に対し「運動機能そのもの」の回復や維持を目的に、ストレッチや筋肉トレーニングを行いながら基本的な動作能力への支援をする仕事となります。

理学療法士は、大学や専門学校、指定養成校で、専門の知識と技術を修得したのち、国家試験に合格した免許を取得した人でなければ名乗ることができません。

現在、理学療法士の活躍の場は、病院、クリニック、介護保険関連施設などの医療・福祉分野をはじめスポーツの分野にも拡がっています。

理学療法士の役割として目指すものは、日常生活を営む上での「基礎的な運動能力の改善」とサポートです。

具体的には、ケガや病気の後遺症などで身体に障害のある人や障害の発生が予測される人に対して「寝返る」「起き上がる」「歩く」「座る」といった動作の改善を目指します。

基礎的な運動能力の改善を行う「理学療法」と、具体的な日常動作の回復を目指す「作業療法」は段階を経て連携していきます。

特に運動能力の基礎となる理学療法は、おろそかにしてしまうと、身体機能の回復が見込めないばかりか、障害や後遺症への悪化やならびに寝たきりの原因になりかねないため、重要なリハビリテーションの段階ともいえます。

 

理学療法士の役割として、具体的な仕事とは?

マッサージや電気治療、温熱治療などを組み合わせながら、ときには器具を活用して、元々その人が持っていた運動機能に近づけるための様々なトレーニング方法を展開します。

具体的には下記の3つに分けられます。
・運動療法
 ・物理療法
 ・日常生活動作訓練による治療

 

運動療法

実際に機能が損なわれた部位やその周辺を、理学療法士の手助けを借りながら動かし、筋力や関節の動きを正常な状態へ近づけます。
トレーニング用のゴムやボールなどの器具を使用することもあります。

 

物理療法

痛みの緩和や、運動機能アップを目的として、マッサージや電気治療、温熱治療などを行います。

 

日常生活動作訓練による治療

立つ、歩くといった一般的な動きから実際に普段の生活の中で行われる動きに及ぶ動作までを取得する様訓練します。

これらの治療は段階を経て、時に併用しながら行われます。

 

理学療法士はどんな人を対象にするの?

クリニックや病院、リハビリテーション専門施設は、脳の病気などで神経の伝達機能が衰えてしまった人や、ケガにより筋力が衰退してしまった人に対してもともとの機能が発揮できるように訓練するのが一般的です。

医療機関だけでなく、介護施設などでは、寝たきり予防に向けてリハビリテーションを実施することもあります。
また、地域のデイケアセンターや保健福祉センター、ホームヘルパーやボランティアへの指導も行う事があります。

障害者や高齢者、そして介護者においては、住宅環境や生活環境(家屋改造へのアドバイス)、移動(自動車・公共交通機関)といった生活する上で「どうすれば便利なのか?」などの情報も提供します。

スポーツチームにおいては、選手のケガに対して専門の知識を持ったチーム専属の理学療法士がいることもあります。

このように理学療法士の活動は、医療現場だけではなく、様々な場面で必要とされています。

 

まとめ

・理学療法士は「動作・運動機能回復の専門家」である

・「運動療法」「物理療法」「日常生活動作訓練による治療」を組み合わせてもともとの運動能力を取り戻すのが主な仕事

・病院やリハビリ専門施設だけでなく、プロスポーツの現場や介護施設で勤務する人もいる

 

理学療法士は、患者様の生活の質を上げもともとの能力を取り戻すだけでなく、将来の介護生活につながりにくい、または介護が必要になってもその程度が軽くなるためには必要な職業です。

理学療法士だけではなく、作業療法士や言語聴覚士においても、同じことが言えます。

患者様自身にも、それぞれの分野の役割をご理解いただくことで、リハビリテーションに対する意識が高まり、より一層好影響を与えるかもしれません。

 

関連記事

2020年04月17日
膝のリハビリ方法とは?自分でできる変形性膝関節症の対処法も紹介
2017年07月25日
リハビリにおける観察項目はどう決める?
2017年08月21日
握力が低下したときのリハビリ方法とは?
2018年01月09日
社会的行動障害とは?行動や感情への影響とリハビリ方法
2019年11月11日
骨折後のリハビリテーションはいつから?早く元の生活を送るには
2017年12月12日
遂行機能障害とは?計画的な行動が出来ない症状について

リハビリに関するご相談、お気軽にお問い合わせください。

閉じる