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高齢者のリハビリにおける、注意点とは?

リハビリの知識

こんにちは!御所南リハビリテーションクリニックです。

病気やケガで機能が損なわれた部位に対する機能回復を期待して行う「リハビリテーション」については患者様個人の回復度合いや年齢などに応じて治療・訓練内容やリハビリスタッフが留意しておきたい点には差異があります。

今回は「高齢者のリハビリにおける注意点」について考えていきましょう。

 

▼高齢者の平均的な体力を想定したリハビリ計画を

まずリハビリ計画を立てるときに、「平均的な日本人の体力」を想定したプログラムではなく、患者様の年齢に応じたリハビリ計画を想定することを念頭に置きます。

もちろんリハビリの部位以外は一般の方と全く変わらない患者様もいらっしゃいますが、多くの高齢者は運動習慣がなく筋力が低下している可能性は高い傾向にあります。

特に運動習慣がない方は、できるだけ体を動かす事を身に付けると共に、家の掃除を運動の一環ととらえ「念入りに掃除をする」など活動量を増やすだけでも効果は期待できます。

また、筋トレについては継続する事が大切ですが、毎日筋トレを行うのではなく超回復を阻害しない様に同じ部位(筋肉)は2~3日空けてから筋トレする、もしくは部位(筋肉)を変えて毎日行う様にします。
その為、最初は無理のないリハビリ計画を立案し、個人の回復度を見極めながらプログラムを途中で適宜変更して行きましょう。

 

▼患者様の状態を確認し、周囲が回復度合いを客観視する

高齢者の場合、何らかの疾患を抱えていたり、健康だと思っていても不意に体調を崩してしまうことがあります。
そのため、リハビリスタッフやご家族は、リハビリの対象部位以外にも注意しなければなりません。

本人が早い回復を望んだ場合、急速にリハビリの段階を上げてしまうと、機能障害の部位だけでなく心疾患などの既往症にも悪影響を及ぼしかねません。
必ず既往症の確認を行うと共に合併症への防止に努め、個人の回復目標を設定し、リハビリ中では経過観察を行いながらリハビリを実施する必要があります。

また、以下のようにリハビリ中の心身の回復状態について周囲が留意してあげることも重要です。

・特定の機能のみ低下していることに本人が自覚していないケース

たとえば、脚にマヒやケガの後遺症が残った際、ある動作だけ回復の度合いが緩やかなことに本人が気づかないケースがあります。本人はまっすぐ歩けるのできちんと回復したつもりでも方向転換だけはうまく機能しない場合、転倒や新たなケガの原因になり自信喪失につながりやすくなります。

・廃用性症候群からの回復

病気やケガの影響で寝たきりになってしまった場合、「廃用症候群」という心身ともに能力が低下した状態からの回復が必要になります。

このとき、必要以上に励ましリハビリを強要することは、本人がリハビリ以外で動くことをためらい、逆に運動習慣を得る事が出来ず筋力低下の原因に繋がります。
この状態では次のリハビリをしても本人の意思が働いていないため、さらにリハビリを嫌うという悪循環を招きかねません。

心身ともにリハビリをしていることを念頭におき、できることを一つずつ増やしてあげる、という感覚が重要でしょう。

 

このように、リハビリスタッフは単に喪失・減退した機能の回復のためにリハビリを提供するのではなく、バランスよく生活を送るためにはどんな機能回復が必要なのか、を考えながら行います。
そのためには、家族や周囲のスタッフは客観視しながらも、本人とよく対話することが大切です。

 

▼本人の意思を尊重した、二人三脚のリハビリを提供する

リハビリは、基本的にリハビリスタッフ(PT/OT/ST)が中心となって実施されますが、
本人と常に意思確認を行いながらリハビリ内容を提供していくことが重要です。

とはいえ、単に「今日はやりたくない」とか「今日はもっとリハビリを行いたい」という希望を聞いているだけではリハビリの質は向上しません。

・やりたい気持ちを起こさせるような継続的な働きかけを行う
・無理をさせすぎないようにそっと助言を行う
・リハビリをしている間も単に手を貸すのではなく、必要な範囲で見守る

やりたくないものを強要させるのではなく、二人三脚のリハビリを提供することが最も大切なポイントといえます。
いかがでしたか?
高齢者だからと、気負ってしまう必要はありませんが、個々人の実力を見極め、少しずつ手助けを行う。無理をさせないということが高齢者に対するリハビリでは大切になります。

 

▼まとめ

・高齢者の平均体力を想定したリハビリ内容を計画、実施する
・周囲のスタッフ、家族は高齢者のリハビリを客観視しそれを本人と共有する
・本人の意思を尊重しつつ、二人三脚のリハビリを提供する

 

 

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