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リハビリテーションで活躍する資格にはどんな種類があるの?

リハビリの知識

こんにちは!御所南リハビリテーションクリニックです。

当サイトページリハビリテーションの意味とはでもリハビリテーションには3つの分野があり、それぞれリハビリテーションを実施する専門職がいることをご紹介しました。

今回は3つの専門職を含めた様々な医療の現場のリハビリテーションに関連する資格情報をご紹介します。

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◆リハビリテーションに密接にかかわる「3つの専門職」

このブログでもたびたび取り上げていますが、リハビリテーションを患者様と二人三脚で行う専門職には次のようなものがあります。

理学療法士(りがくりょうほうし、英語:Physical TherapistまたはPhysio Therapist、略称PT)
病気やケガの影響で機能が損なわれた部位に対し、ストレッチや筋肉トレーニング、マッサージや温熱療法などを組み合わせ、基本的な動作ができるようリハビリテーションを実施します。

機能の回復だけでなく、症状の悪化を予防することも理学療法士の仕事です。
作業療法士(さぎょうりょうほうし、英語: Occupational therapist、略称:OT)
日常生活を営むためには、さまざまな動作が伴います。理学療法により機能が回復した部位に対し、具体的な動作ができるようにトレーニングするのが主な仕事です。また、精神分野の障害を持つ人に対し、社会復帰への手助けを行うためのリハビリテーションを実施するなど、「心のリハビリテーション」も行います。
・言語聴覚士(げんごちょうかくし、英語: Speech-Language-Hearing Therapist 、略称ST)
聴覚や発声に不安がある患者様の「聞く」「話す」といったコミュニケーション能力を回復させるだけでなく、「食べ物などを噛む、飲み込む」こと、いわゆる誤嚥に不安がある(嚥下(えんげ)障害)方へのサポートも行います。
これらの3つの専門職はそれぞれ連携しながらさまざまなリハビリテーションを行い、患者様の生活の質を上げていくことが主な仕事となります。

理学療法士、作業療法士、言語聴覚士はいずれも国家資格として取得します。厚生労働省指定の教育機関(専門学校・短大・大学など)で所定の期間(3年以上)学習を重ねることで受験資格が得られます。

 

3つの専門職以外にもリハビリ関連資格はあるの?

主にリハビリテーションを行うのは病院付属のリハビリ施設やリハビリテーションクリニックですが、それ以外にも広義の「リハビリテーション」を行うための資格や、リハビリテーションを潤滑に行うための手助けとなる国家資格があります。

受験資格となる学習期間はその資格や教育機関の種類にも異なりますが、一定の教育を受けたのちに受験資格が取得できるのは共通です。

・柔道整復師 
日本古来の東洋医学の観点をもとにし、捻挫や打撲、骨折からの回復に向け、自身の手技を用いて患者様の治癒能力を最大限に高めます。いわゆる「ほねつぎ」とも呼ばれております。

理学療法士同様に運動療法・物理療法・温熱療法などを施術することがありますが、痛みや違和感があるものの過度な損傷がなく慢性化した症状などに関しては、医師の診察がなくとも施術(骨折などについては医師の指示が必要)できる点が大きな違いといえます。また法律上は、応急処置を行う職業ですので怪我など限られた範囲の治療となります。

※理学療法士は怪我だけでなく病気(脳卒中・脊髄損傷・心臓疾患・呼吸器疾患・難病など多岐にわたる)によって衰えてしまった身体機能をリハビリを行う事で機能回復を支援し、自立した日常生活が送れるようサポートする点から、より広範囲な役割を担う職業です。
・あん摩マッサージ指圧師
患者さんの症状(肩こり、腰痛、頭痛など)を、徒手(あん摩・マッサージ・指圧)にて解消・軽減することを仕事としています。
・視能訓練士
視力の測定や眼鏡・コンタクトの処方に必要な検査などを行うほか、病気やケガの予後に対し視力回復のためにリハビリを実施します。

実際のところ、一部の視力・視野の検査は無資格でも行えます(メガネ屋さんのスタッフがする視力検査など)。
視能訓練士が今注目されている理由は、各種検査を行うことよりも、専門的な知識をもってリハビリテーションを実施できる点です。
高齢化社会により緑内障・白内障などの疾患由来の視力低下が年々増えており、医師と連携して、眼科医療のチームの要となる職業です。
・義肢装具士
四肢の疾患やケガにより体の一部を失ってしまった患者様に対し、義手や義足を制作する仕事です。
体の大きさや動かし方の癖は、患者様それぞれに個性があり、単にマニュアル通りに装具を制作するのではなく、患者様一人ひとりに寄り添った対応が求められます。

加えて、健康だった時の動作に極限まで近づける職人としての技能も必要になります。
職人気質とホスピタリティのバランスが求められる職種ともいえるでしょう。

 

各資格保持者が協力して効率の良いリハビリが行える

リハビリテーションに関連する資格や職業は、それぞれ別個に行われるものではなく、連携することでより効果が高まりやすくなります。

たとえば、理学療法は医師に基づいて行われるものですが、近くの接骨院で柔道整復師の施術も並行して行っている場合、治療方針がかみ合わず対象箇所をより傷めてしまう可能性もあります。

このとき、病院で受けているリハビリテーションを補助できる施術が柔道整復師から得られれば、回復が早まる可能性も高まります。
3つのリハビリテーション専門職が連携するのはもちろんのこと、そのほかのリハビリテーション関連職も協同してリハビリテーションに携わることが、これからのリハビリテーションには不可欠です。
いかがでしたか?
3つの専門職以外のリハビリテーション関連職に関しては、「耳にしたことがあるが具体的な内容はあまり知らなかった」という人もいるのではないでしょうか。
それぞれの内容を理解することで、リハビリテーション自体もより身近に感じられるかもしれませんね。

まとめ

・リハビリテーション専門職には「理学療法士」「作業療法士」「言語聴覚士」がある
・リハビリテーション関連職には「柔道整復師」「あん摩マッサージ指圧師」「視能訓練士」「義肢装具士」などがある
・各資格保持者が連携し、協同することでより効果的なリハビリが受けられる

 

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