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リハビリにおけるエビデンスとは何か?リハビリテーションの基礎知識

リハビリの知識

こんにちは御所南リハビリテーションクリニックです。

「エビデンス」という言葉を聞いたことはありますか?

2019年、近年日本でも医療・研究の現場などで耳にする機会が多くなってきたものの、日常的な会話の中ではあまり出てこないため、耳なじみのない人もいるのではないでしょうか。

今回は、リハビリテーションの現場における「エビデンス」と、その利用方法などについてご紹介します!

検査風景イメージ01

 

そもそもエビデンスの語源や意味とは?

エビデンスは、証拠・根拠などを意味する英単語 “evidence” からきています。

医療や学術の現場においては「その治療が有効とされる根拠」や「ある仮定が実証されるための証拠」などを指します。

臨床結果や研究機関の検証結果などを元に「その人に施す治療が本当に今最善なことである」といった「根拠=エビデンス」をもって治療に臨むことが医療従事者には求められています。

「きっとこうだろう」などといった憶測での治療や曖昧なリハビリテーションを行うことは、回復が遅れるばかりか、命の危険まで脅かすことさえあります。考えてみれば当然のことですよね。

 

エビデンスが医療やリハビリで注目された理由は?

一言で「医療の現場」と言っても、エビデンスが使用されたのは、学会での研究発表や新薬開発の現場でした。

それが現在、一般的な治療の現場でも聞くようになった理由は、近年の「インフォームドコンセント」の浸透が強く関係しています。

「医療やリハビリテーションは一方的に医療従事者に委ねるものではなく、十分な説明のもとにどの治療を受けるかという判断を、患者側も同意を得る」という考え方が「インフォームドコンセント」です。

医療従事者も患者側も対等に判断していくインフォームドコンセントですが、医療従事者と比較すると、患者側の知識はつたない部分があるケースが多いのが実情です。

その為、医療従事者は、より分かりやすく、過去の実績や副作用の有無・起こりうるパーセンテージとその根拠などを提示することが求められるようになり、エビデンスが注目されるようになった訳です。

検査風景イメージ02

 

リハビリテーションにおける「エビデンス」の重要さとは

リハビリテーションの世界において、特に理学療法の世界では「エビデンス」に基づいてリハビリテーション計画を練り、実施することが重要とされています。

エビデンスが重要な3つの理由

①そもそも人の体には個体差があり、運動機能や外部からの反応、同じ病気やケガをしても回復力や進行度合いなどにも大なり小なり差異があること。

②罹患(りかん)した年齢や状況においても必要な負荷の度合いや、同じトレーニングを繰り返したときに起こりうる効果や機能向上においても違いが見られること。

③例えば「右手の指が動きにくくなった」「歩行が困難になった」などの症例であっても、脳卒中などの病気が原因なのか、骨折などのケガが原因なのかで、必要なリハビリテーションの内容に違いがあること。

以上のような点から、標準的なリハビリテーションの内容において、科学的根拠をもとに(エビデンス)プログラムを決定。
そこからそれぞれの身体能力や回復の度合い、リハビリテーションが必要になった理由など、様々な分野を組み合わせてプログラムを改善変更していき、ガイドラインを示すことが望ましいとされているのです。

 

エビデンスとインフォームドコンセントを基本としたリハビリを

医療の提供を受けるときに、自分の治療はどんなものなのか、きちんと効果があるのか、といったことへの不安から、正しい説明と情報を受け納得したうえで、各医療スタッフと連携することは早期回復にも一定の効果があると考えられています。

すべてを疑ってかかっては本末転倒ですが、どのくらい効果がありそうなのか、一般的な実績はどうなのか、といった点について、もう少し報告を受けたいな、という要望があるときには、正直に担当スタッフへお話しすることがお勧めです。

エビデンスとインフォームドコンセントは、貴方のご不安を少しでも解消する上で大事な役割を果たし、有意義な治療や訓練への手助けとなる事でしょう。

 

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