急性期リハビリテーションとは?リハビリテーションの基礎知識
こんにちは御所南リハビリテーションクリニックです!
以前の記事「リハビリテーションとはなにか?リハビリテーションの基礎知識」では、「回復」のイメージが強いが「完全に元の状態に戻すこと」が最終目的ではない。などリハビリ自体の全体的な種類や概要についてお伝えしました。
そして、リハビリテーションを行う上でその内容は、患者様の状態や回復の段階に合わせて計画を変更していく必要があります。
一般的なリハビリテーションの段階は、大きく分けて4つのステージに分類できます。
今回から4回に渡り、4つのリハビリテーションの内容や特徴などについてご紹介します。
◆4つのリハビリテーションの段階
リハビリテーションはそのステージにより、次の4つに分けられます。
・急性期リハビリテーション
・回復期リハビリテーション
・維持期(生活期)リハビリテーション
・終末期リハビリテーション
今回は急性期リハビリテーションについてです!
◆急性期リハビリテーションとは
急性期リハビリテーションは脳卒中や骨折などの急な病気やケガの治療直後もしくは治療と並行して行われるリハビリテーションを指します。
おおむね発症から数日後~1か月くらいの期間で急性期リハビリテーションは展開されます。
以前は治療とリハビリテーションの開始のタイミングを分け、リハビリテーションは専門の病院や施設で行うことが中心となっていました。
◆早い段階のリハビリが近年は一般的に
近年では治療の早い段階でリハビリテーションを取り入れることにより、寝たきりの防止や後遺症の軽減に努めることが望ましいとされています。
ただし、急性期においては、体の機能そのものの回復が一番重視されるべきですので、急性期リハビリテーションの内容は無理のない、負担の軽い程度のリハビリテーションを中心に行うことになります。
◆急性期リハビリテーションの目的
急性期リハビリテーションの一番の目標は、「廃用症候群」の防止・軽減にあり、発症前の状態まで回復させることではありません。
廃用症候群(はいようしょうこうぐん)とは、寝たきりによる床ずれ(褥瘡 じょくそう)が一番イメージしやすいかも知れませんが、その他
・筋萎縮(筋肉がやせてしまうこと)
・関節拘縮(関節が硬く動きにくくなること)
・廃用性骨萎縮(骨の強度が落ちてしまうこと)
・起立性低血圧(立ちくらみ)
・精神的合併症
・括約筋障害(便秘・尿便失禁)
などを指し、長期に渡り安静にしていることで起こる様々な弊害を指します。
◆次のステージの準備でもある急性期リハビリ
治療の早い段階で体を動かすことで、これらの廃用症候群になることを防げるだけでなく、次のステージに進んだ時にスムーズに回復につながる橋渡しになります。
急性期リハビリテーションは食事や移動、排泄や入浴といったADL(日常生活動作:Acthivities of daily living)をできるだけ損なわないような、起立訓練や嚥下訓練などに特化したリハビリテーションが展開されます。
◆急性期リハビリテーションが望ましくない例
急性期リハビリテーションの対象となる発症後数日~1か月は発症後の患部の治癒に相当の体力を消耗します。そのため、すべての症例に対し急性期リハビリテーションが勧められるとは限りません。
例えば、合併症がある人などは早期に治療を行うことで、かえって回復に期間を要したり、新たな合併症の引き金になってしまうことすらあります。そのため、同じ症例だったとしても、患者様個人の体力や回復速度に合わせて、リハビリテーションの開始時期や内容の計画を見極めることが大切です。
◆まとめ
急性期リハビリテーションを効率的に取り入れることで、後遺症を軽減し、以前の生活に近い環境を取り戻すことにつながるきっかけづくりを行うことができます。
とはいえ、急性期リハビリテーションは最小限の機能の回復を目指したリハビリテーションですので、一定の(症状ならびに状態が安定)回復が確認でき次第、新たな(回復期)リハビリテーションのステップへ移行することになります。
急性期=安静にする事でなく、後後遺症を如何に軽減に努める事で、今後の予後にも大きく左右する事にも繋がります。したがって、リハビリに取っても大切な時期とも言えます。
次回は2つ目のステップで、私たちの本院である京都大原記念病院が担う「回復期リハビリテーション」についてご紹介します。
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