京大病院と症例報告 |若年女性のケース探る
京都大原記念病院グループは9月16日、京都大学医学部附属病院(京大病院)との症例報告会を開催した。
急性期治療に当たった京大病院と回復期治療を引き継いだグループの京都大原記念病院(大原)と京都近衛リハビリテーション病院(近衛)とで、治療内容や患者の回復度合いについて情報交換する狙い。新型コロナウイルス感染防止のため、今回もオンラインで開いた。
開会あいさつで近衛の岡伸幸院長が、開院以来4年半にわたる、病院間の密接な交流について謝意を述べた。
取り上げられた症例は近衛の「くも膜下出血後、失語症により動作学習に難渋した若年例」と、大原の「学齢期に脳動静脈奇形による脳出血を発症した症例に対してのアプローチ」の2例。ともに若年の女性を取り扱ったケースだった。
近衛の症例は、脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血を発症し、右片麻痺、混合性失語、注意障害や記憶障害といった高次脳機能障害のある30代後半女性のもの。発症4ヶ月、近衛入院2ヶ月での中間報告として発表があった。
大原の症例は、ダンス教室のレッスン中に脳動静脈奇形破裂による脳出血を発症した女子中学生のもの。リハビリによる身体機能や高次脳機能の改善に伴い、自発性やADL能力の向上が見られたといい、「今後は家庭と教育機関との連携を図り、復学への支援態勢を整備したい」との総括があった。
閉会にあたり京大病院脳神経外科 の吉田和道准教授が「次回こそは対面で行いたい」とコロナ禍収束に期待を込めた。