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リハの目標と成果報告_京都第二赤十字病院で症例報告会

京都大原記念病院グループと京都第二赤十字病院(第二日赤)との症例報告会が10月23日、上京区の第二日赤で開かれ、患者2症例について理解を深めた。

会は、発症後の急性期の治療に当たる第二日赤と、その後のリハビリを担う同グループ(京都大原記念病院、京都近衛リハビリテーション病院、御所南リハビリテーションクリニック)が、共通して診た患者の回復の度合いについて理解を深める狙いで年1回開いている。永金義成・第二日赤脳神経内科部長が司会を務めた。

一例目は「高次脳機能障害の患者にとって自立した生活とは?~バリント症候群に対するアプローチ」と題して御所南の森右京・言語聴覚士が発表した。患者は70代男性で視野障害、左右失認、失算があった。

リハビリでは、文章を読む時に目線の散らばりを抑えるため、長方形の穴をあけた紙片を読みたい部分に当てて読む工夫をした。また食事動作では日常生活でも箸を使うようにした。バスでの外出訓練では、横断歩道が認識できなくて落ち込む場面もあったが、6カ月後の退院時には体の偏りもなくなり、動作は自立レベルまで回復できた。

二例目は「重度高次脳機能障害が改善し自宅復帰を果たした一例~退院したら家のことをしたい」を題し近衛の山根大和・理学療法士が発表。家のことをすべて一人で行ってきた70代女性がくも膜下出血に罹患し、せん妄、ひざ関節痛を抱えながらリハビリに励んだ日々を報告した。

患者は当初は物を壊すなど暴力的な面もあったが3カ月目あたりから驚くほど改善。4カ月目以降は主婦業のための調理訓練や身支度、時間管理を促した。退院時には基本動作は自立し、メモを活用しながら一日の予定を管理できるようになったという。