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「 患者様がいきいきと人生を送るサポートを目指して 」第12回 パーキンソン病・運動障害疾患コングレス参加レポート

御所南リハビリテーションクリニック(以下、当院)では近年、パーキンソン病などの神経変性疾患を抱えた患者様が少なくありません。パーキンソン病友の会での交流などを通じ、アメリカで開発されたLSVTⓇを希望される方も多くいらっしゃいます。

高齢化とともにパーキンソン病の患者様は増加傾向にあり、最新治療や研究についてセラピストに求められる期待値は年々増加していると感じます。また、患者様には、確定診断がつかずパーキンソニズム(※1)として来院される方もいらっしゃいます。

リハビリテーション方針を決定するにあたり、医師だけでなくセラピストも症状を引き起こす疾患を絞り込むために行う鑑別診断や、非運動症状(※2)、様々な治療法を詳しく理解したうえで、患者様と接するべきと感じ、第12回パーキンソン病・運動障害疾患コングレス( MDSJコングレス )に参加しました。

全体的に発症前段階での早期発見や細胞遺伝子レベルでの研究発表が多くを占めていました。パーキンソン病と診断される10~20年以上前から非運動症状(※2)が出現する可能性が高く、中でも検出率の高い嗅覚の低下や、便秘、睡眠障害等の研究が進んでおり、確定診断の一助になり得る可能性が示唆されていました。
また、治療法についても、脳深部刺激療法( DBS )やLドパカルビドパ経腸溶液持続投与療法( LCIG )、凝固術などの手術療法があります。パーキンソン病やその他類似疾患の運動症状に対しても治療の選択肢が多岐にわたる時代となっていることを実感しました。

今回の経験は、パーキンソン病などの神経変性疾患を抱えた患者様がいきいきと人生を送るためのサポートができるように活かしていきます。グループ内では当院だけでなく、本院の京都大原記念病院や、今春に開院した京都近衛リハビリテーションと連携し包括的にサポートすることが必要であると感じました。リハビリテーションの質の向上、最新医療への理解を得ることこれからも尽力して行きたいと思います。

※1. パーキソニズムとは、パーキンソン病とは別の原因により生じる緩慢な動作や振戦などのパーキンソン病の症状を指します。

※2. 非運動症状とは、便秘、排尿障害、起立性低血圧など自律神経系の症状、睡眠障害、精神障害、認知機能障害など体の動き以外の症状を指します。