膝のリハビリ方法とは?自分でできる変形性膝関節症の対処法も紹介
こんにちは、御所南リハビリテーションクリニックです!
日常生活で動かす機会が多い部位のひとつである、「膝」。
頻繁に動かすために慢性的に負荷がかかりやすい箇所でもあります。
「歩く」動作では、股関節が1度動けば膝関節は2度動くため、ひざの痛みがあると少しの距離を歩くのもおっくうになりやすいく、早期に対処しておきたいものですよね。
リハビリとは言ってもいくつかのパターンがあり、骨折や靭帯のケガなどで入院・手術をした場合と、慢性的な疾患である「変形性膝関節症」などで痛みを感じている場合ではアプローチにも違いがあります。
今回は「変形性膝関節症」のリハビリについてご紹介します。
「変形性膝関節症(へんけいせい しつかんせつしょう)」とは?
「変形性膝関節症」とは、何らかの理由で膝に負荷がかかり、膝関節(軟骨部分を含む)がすり減ることで痛みを感じる症状のことです。
主な原因は「加齢」「肥満」「ケガなどによる破損」「O脚」などがあり、いくつかの原因が相互に関係しているのが一般的です。
また、男性よりも女性の方が罹患(りかん)しやすく、とくに60代以上の罹患した患者さんを男女別の比率で見ると女性の方が各年代で1.5~2倍と高くなっています。
スポーツ選手のように膝関節を酷使しても骨や軟骨が摩耗する可能性がありますが、逆に運動不足による肥満なども膝に負担がかかるため、特に40代に差し掛かったら適度な運動を常に維持することが、予防には欠かせない要素の一つです。
変形性膝関節症のリハビリ、その前に・・・
変形性膝関節症と診断されたのち、摩耗した骨や軟骨組織は自己増殖能力が非常に乏しく、ほとんど再生しないと言われており、長期に渡り変形性膝関節症と付き合っていく必要があります。
骨の摩耗を進行させないためには
・足全体、とくに膝周りの筋肉を強化、その中でも膝を支える筋肉(大腿四頭筋)をつけ、膝に負担をかけずに自重をささえ移動・運動する
・膝の可動域そのものを広げ柔軟性を保ち、膝の動きを良くすることで新たに骨に負担をかけない
の2点に重点を置いてリハビリをすることが大切です。
膝に負担のかかりにくい生活スタイルに変更することも症状を重症化させないために必要です。
自分でできる変形性膝関節症の対処方法
クリニックで行う運動療法と並行して、普段の生活を見直し普段から重症化しないように工夫することが大切です。
とくに症状が軽度~中等度の人は、これらの対処方法を続けることで症状や痛みが緩和する可能性が高まりますので、意識して日々の生活に取り入れましょう。
膝に負担のかかりにくい生活スタイルを取り入れる
関節に痛みがあるときには「正座ではなく椅子を使う生活」「階段をなるべく避ける」「体重を管理し、支えなければならない自重を抑える」といった、生活習慣を変える努力が必要です。
適切に装具を使う
リハビリを行っている段階では、筋肉がまだ未発達であり、急な負荷がかかることで膝に痛みが発生してしまう可能性も否めません。そこでテーピングやサポーターを使用し、膝の可動域を適切に管理することが大切です。
ただし、正しい位置に装着しなければ効果は半減しますので、きちんと担当の医師・リハビリスタッフに装着の手順を習うのが望ましいでしょう。
冷湿布と温熱療法はタイミングを誤らないこと
慢性的な痛みが続く場合は、温熱療法として膝関節を温め、可動域を増やしダメージを受けにくくすることが痛みの軽減につながります。
一方、スポーツの直後などで腫れや熱を伴い一時的に症状が悪化した場合は、冷湿布やアイシングが役立ちます。温めるのか冷やすのかと誤ると、症状を自ら悪化させることもありますので、十分に配慮しましょう。
「御所南リハビリテーションクリニック」で行う膝のリハビリは?
当クリニックで行うリハビリの特徴は2点です。
・重心動揺計付きトレッドミルにより、歩容状況・重心移動を検査する事で、より良い歩行での体重移動を学んで頂きます。
・筋電図により、筋肉が効果的に働いているかどうか検査する事で、膝の安静性ならびに動きを学んで頂きます。
予防としても効果的!膝のリハビリ方法
クリニックでのリハビリに加えて、自分でも日々リハビリを続けることが、変形性膝関節症を進行させないための大切なポイントです。
一般的なリハビリの方法として次のようなものがあります。
水中トレーニング
水中、というとプールでのウォーキングが有名ですが、毎日プールに行くのは大変ですよね。こんな時は自宅で湯船につかりながら、膝の屈伸運動をするだけでも効果が期待できます。
プールでは膝へかかる負担が少ない筋力増強を、湯船では可動域の拡大を目的としてリハビリをしましょう。
自転車運動
太ももの筋肉がしなやかで、かつしっかり筋力があれば、膝に負担をかけにくくなります。
ウォーキングなどでももちろんよいのですが、膝に自重をかけにくく、膝の調子に合わせて負荷を調整できることから自転車がおススメです。
ただ、リハビリとしての自転車には時間をかければよいというわけではなく、一定の速度で走り続けることができるなら15分程度から始めるのが理想です。
ストレッチ
床に膝を伸ばした状態でタオルを足先にかけ、足首を手前に倒す方法や、お風呂用程度の低い椅子に腰かけ、膝を軽く押し、膝の可動域をゆっくりと伸ばす方法が有効です。
一度に負荷をかけすぎると悪化の原因になりますので、一日1セット20回程度から始め、痛みや腫れの状態などを観察しながら調整していくのがポイントです。
まとめ
リハビリテーションを適切に行うことは症状・痛みの緩和につながりますが、無理をせず、痛みが強くなった場合はリハビリテーションの内容や頻度を見直すことも大切です。また、自宅ケアで症状が改善しない、もしくは痛みが強くなった場合には、早めに医師やリハビリスタッフへ相談しましょう。
・変形性膝関節症とは膝関節の骨・軟骨が摩耗することで、痛みや腫れにより動作の不良を起こす症状を指す
・様々な原因が相互に関係して発症する。ケガや骨折をしたことがなくても罹患する可能性はある。とくに加齢と他の要因が関連するケースが多い。
・生活習慣を見直すとともに装具などを利用して症状の改善に努めることが大切。
・リハビリは毎日少しずつ続けることが大切。クリニックやリハビリ施設でのリハビリに加え、自分でも日々ストレッチなどを行うこと。しかし痛みが強くなったら回数を見直したほうがよい。
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